敦賀市が全国に誇るべき歴史はたくさんある。
その中の一つ、藤原利仁公の逸話について今回は紹介したい。
藤原利仁公は平安時代前期の貴族・武将であり、越前国敦賀の豪族・藤原有仁の娘婿にもなっていた。
その藤原利仁公はある日、五位の者が当時のスイーツである「芋粥」を一度お腹いっぱい食べてみたいと話しているのを聞き、その者を京都から自身の館のある敦賀へ招待し、芋粥を存分にご馳走したという。
その話は『今昔物語集』に記されており、藤原利仁公の栄華を今に伝えるものとなった。
1916年にはこの話をベースに芥川龍之介が短編小説『芋粥』を発表した。
芥川龍之介の『芋粥』は『今昔物語集』とは違い、京都から敦賀へ招待された五位の者はその大鍋一杯に満たされた芋粥を見た途端、食べるより前に満足してしまったという風に結ばれている。
夢が叶ってしまうことの寂しさを表したのだろうか。
この話の舞台なった場所には現在藤原利仁公を奉った天満神社があり、利仁公の供養塚が設置されており、今も1月17日には家臣の末裔が参集し利仁公をしのびます。
また敦賀市内では芋粥を食べられる店舗や芋粥をテーマにしたパイやどら焼きもあり、それらをお腹いっぱい食べて天満神社に訪れれば、そこにあるのは満足感に違いないだろう。
(一部Wikipediaより引用)